事業の方向を指し示すロゴ  <朝日新聞連載 第6回>

朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteやこちらのHPでも読めるようになりました!!
朝日新聞和歌山欄で発表した後、noteやこちらのHPへも記事を掲載してまいります。
ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。
そのあと、少し時間を置いてからnoteへ掲載、という流れになります。
もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、
他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!
では、前回の続きをどうぞ。

 今回はロゴ(シンボルマーク)についてお話しします。
結論から言うとロゴがあるからと言って商品が売れるとは限りません
しかし、ロゴは必ず必要です。この矛盾がロゴの奥深さです。

 例えば売り場に知らないロゴだけが表記されている瓶詰めが並んでいるとします。
皆様はそれを見て食べたい!と思うでしょうか?
 僕は中身がわからないので思わないです。それよりも「いちご🍓のジャム」など説明が表記されている方が買いたいと思いますよね。
そうです「知らないロゴを見ても買いたくならない」のです。
しかし繰り返しですが、だからといってロゴが不要だ、ということではありません。
むしろ以前お話したブランド・エクイティ(資産)の中でも「ネーミング」の次に重要なのがロゴになります。

 ではロゴとはどういった役割を果たすものなのでしょうか?
一言で表すとそれは「コンパス(方位磁石)」🧭です。
「誰に、何を、なぜ売るのか(提供するのか)」「自分たちがどこへ向かっているのか」
これを指し示すコンパスです。
事業活動をしていると毎日のように迷います。
どの方向へ行けば自分たちが描いている未来へ続く道なのかわからなくなることばかりです。
そんな時にしっかりと方向を指し示してくれるのがコンパス🧭であるロゴなのです。

 弊社でブランディングをさせていただいた松田果樹園+(プラス)様の事例を例にあげます。
奈良県天理市で36代続く柿農家の松田果樹園+様との出逢いは、柿の出荷袋に貼るシールでした。
直売所に何もアピールせず出荷していたが、他の生産者との違いを伝えることができず、値段で勝負するしかありませんでした。
そんな時、弊社を見つけていただき、オリジナルデザインのシールをご依頼いただきました。
シールを使っていただくと、他の生産者の柿よりも売れ、売上が年々上がってきました。

 次のフェーズとして通常の柿だけではなく、贈答用の大玉一つひとつに「お墨付き」という意味合いで農園名の金シール貼りました。少しずつお客様の頭の中に「松田果樹園+」というブランドが出来上がってくると既製品のダンボールでは自分たちのブランドが伝わりません。

 そこで松田果樹園+としてのオリジナルデザインダンボールを作ることになりました。
ここまで来るといよいよ農園ロゴが必要になります。そこで導き出したコンセプトは「柿」でした。
 樹園ですので柿以外もキウイ🥝や八朔なども作っております。
 さらにジェラートやジャム、ドライフルーツなど加工品生産も始まりました。
 とても評判で百貨店や有名店との取引も始まりました。
こうなってくるとあれもしたい、これもしたいと迷いが生じ始めます。
しかし、それでは「おいしい柿を育てて食べてもらいたい」といういちばん大切な思いを忘れてしまいます。
 松田さんからこういうお言葉をいただきました。
「色々と事業を展開しているが、このロゴのおかげで生の柿を売る、ということを忘れず、ブレることなくしっかりとここまでこれた。これからもこの先も美味しい柿を作って届けていきたい」これがロゴの役割なのです。

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