朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております、
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteやこちらのHPでも読めるようになりました!!
朝日新聞和歌山欄で発表した後、noteやこちらのHPへも記事を掲載してまいります。
ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。そのあと、少し時間を置いてからnoteやこちらのHPへ掲載、という流れになります。もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!
㈱はりまぜデザインの角田(つのだ)です。本年もまたよろしくお願いいたします。なんと今年で連載3年目です。先日「いつも読んでいます」と新聞の切り抜きを集めていただいている方にお会いし、とても嬉しかったです!大変励みになりますので皆さまもメッセージやご質問等もどしどしお待ちしております!
さて前回まではパッケージデザインの実践編をお話ししてきました。今回は年始ですので商いで最も重要な【価格】のお話です。
ザ・プライシングマンと呼ばれたハーマン・サイモンは「自分が価格に影響を及ぼせないビジネスは絶対にやってはいけない」と言っています。しかし特に農業分野は中々自分で価格を決めにくい。だからこそより【価格】に対してしっかりと意識しなければいけません。
全量市場出荷の場合、自ら価格決定権はありませんが、しかし「まずは〇〇さんに声をかけてみよう」と選び続けてもらうのもそれは価格なのです。それはなぜか?【価格=価値】だからです。あなたやあなたの商品に対し価値があると思ってくれるから声がかかるのです。
では直販やファーマーズマーケットで販売をする場合。この場合は自分で価格を決定できます。(もちろん市場力学がはたらきますので「とにかく自由だ!」というわけにはいきませんが)。あなたはどのようにして価格を決定しますか?一番やりがちなのが他の出品者より「安い」価格をつけてしまうことです。安ければ売れるだろうという安易な考え方です。これが一番ダメです。繰り返しですが【価格=価値】です。
価格とはあなたやあなたの農園、あなたの商品の価値の数値なのです。安い価格を着けてしまうと価値も下がります。例えば通常は180円のコーラが15円だと「大丈夫?」と躊躇してしまいます。だからといって高すぎても売れません。相場、というものがあります。この見極めが大切です。
特に価格は購入の強い動機付けになります。「人間は情報を吸収し処理する能力に限界がある」とノーベル賞も受賞したハーバード・サイモンが言っているように僕達は売り場でそれほどたくさんの情報を処理しません。まずは美味しそうか?食べたいか?欲しいか?をざっくりと判断します。そして価格を見て「あ、値ごろだな」と思うと購入するのです。なぜ安いのか?なぜ高いのか?ということをいちいち調べたり考えたりしません。
こんな偉そうなことをお話しておきながら、僕も日々、価格で悩んでおります。特に弊社のようなデザイン会社は扱っている商材がサービスです。つまり直接手で触れることが出来ない概念なのです。こういったものの価格は相場もわかりにくく本当に難しい。最初の頃はとにかく「安くて速い」を目指していました。しかしある時に「お客様が求めているのは「安さ」でも「速さ」でもなく売上が上がるという「ハッピーな未来✨️」だと気がついたのです。それからは「安いですよ、速いですよ、いいデザインが出来ますよ」ではなく「あなたが求めるハッピーな未来をを提供できますよ」というアピールをしっかりと行うようにしました。おかげさまで設立当初よりもデザイン料金はガンガン上がっております。あなたも価格設定を行うときは【価格=価値】ということを意識してみてください。