ギフトボックス 「紙選び」が鍵 <朝日新聞連載 第17回>

朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております、
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteやこちらのHPでも読めるようになりました!!
朝日新聞和歌山欄で発表した後、noteやこちらのHPへも記事を掲載してまいります。
ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。そのあと、少し時間を置いてからnoteやこちらのHPへ掲載、という流れになります。もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!
では、前回の続きをどうぞ!

パッケージデザインの実践編をお話しています。
今回は④ギフトボックス(化粧箱)のお話です。
 今回も箱ですので袋印刷や段ボール箱と同じく、「刃型代金」「版代金」「ロット数(数量)」をしっかり考慮します。そしてギフトボックスはここからのコストのかけ方が重要になります。それは「紙の選び方」です。

 ギフトボックスの材質は主に紙でできています。その材質、紙の選び方でコストが大きく変動します。
しかしコストばかりに気を取られてしまうといちばん大切な「お客様に買ってもらう」というゴールを忘れてしまいます。
 紙の選び方については「使用シーンに合わせた強度」「お客様(ターゲット)に合わせた紙の種類」「印刷加工」などのポイントで考えます。
このうちの「使用シーンに合わせた強度」と「印刷加工」は少し専門的過ぎますので箱屋さんにお任せしましょう。皆さんでしっかりと考えてほしいのは「お客様(ターゲット)に合わせた紙の種類」です。

 ギフトボックスは板紙と呼ばれる紙で出来ています。その板紙には色々な種類があります。この紙の種類をしっかり選ぶことがとても重要です。
ですので、実はギフトボックスをデザインする場合、グラフィック的なデザインの知見も必要ですが、それと同じぐらい「目的に合わせて紙を選べるか」という力が必要になります。

 「たかが紙質」と思うなかれ、同じ箱でも全く別のものになります。
もしお手元にお土産やギフト🎁でもらった箱などがあれば見てみてください。例えばその箱はツルツルとした光沢のあるものだとします。その紙を和紙のような和風な紙に変更したと想像してみてください。全く違った箱に感じると思います。

したがって重要なのが「誰に買ってもらいたいのか」「どんな売り場で売るのか」「価格は幾らか」など、目的をまずしっかりと考えることです。目的を設定せず「ギフト=高級感」と安直に考えてしまうと、必要以上に高価な紙を選んでしまい箱の単価が高くなり、商品を売っているのか箱を売っているのか・・・というような本末転倒になってしまいます。そうならないためにもまずは価格設定をしっかり行います。そしてその価格に見合った紙質を選ぶことが重要です。

 さて、せっかくですので大まかな紙の種類(専門的な名前は控えます)をお伝えします。基本的な板紙は表が白で裏面がグレーのコート紙です。これは一番コストが安いです。コート、という名前の通り、光沢があります。
ですが意外とそんなにピカピカしません。それでも他の紙に比べれば圧倒的に光沢があります。
写真用紙ほどのピカッと感を求める場合は印刷後にニスなどを塗ったりします。写真やイラストなどをきれいに見せたい時に選ぶと良いでしょう。

コートと対になるのがマット紙です。これは少しだけツルッとしていますが、光沢の無い紙です。マットな質感は高級感が出やすいのでよく使用されます。しかし気をつけたいのが、真っ黒な箱をマット紙で作ってしまうと、爪痕などの傷がとても目立ちます。
その他にもホイルや和紙など様々なものがあります。
紙の種類はきりがないくらいたくさんあり、そのなかから選びます。ですので、闇雲に選ぶと途方もない労力が必要になります。しっかりと目的を設定して選ばないといけません。
ギフトボックスの真骨頂は紙選びにあると言っても言い過ぎではないかもしれません。

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