どこで 誰に 何を から連想を <朝日新聞連載 第13回>

朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております、
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteやこちらのHPでも読めるようになりました!!
朝日新聞和歌山欄で発表した後、noteやこちらのHPへも記事を掲載してまいります。
ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。そのあと、少し時間を置いてからnoteやこちらのHPへ掲載、という流れになります。もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!
では、前回の続きをどうぞ!

 パッケージデザインをテーマに③何を(どういった特徴を)伝えるのか?について2つのポイント「お客様は何を知りたがっているのか?」「言いたいことは山ほどあるが、メインは一個に絞る!」をお話しました。次はいよいよ④どのようなイメージや包装形態で伝えるのか?をお話したいと思います。

 パッケージデザインを作るとなった場合、よく陥ってしまう落とし穴があります。そう、それは「おしゃれな箱がいい」「かわいい袋がいい」「お土産のようなシンプルなものがいい」という、主観に頼った選び方です。
もちろん「おしゃれ」や「かわいさ」は間違いではありません。
しかし、誰に売りたいのか?どこで売りたいのか?によってしっかり考えないと、全く売れません。
本当に「全く」売れないのです。

 「いや、おしゃれだったら買うよ。」と思われるかもしれませんが、ご自身の胸に手を当てて考えてみてください。おしゃれだから買う、という購買シーンはどれだけありましたか?あったとしてもそれは嗜好品や特別なギフト、インテリア雑貨などですよね。普段使いの日用品や消耗品でおしゃれだからといって買うものは少ないです。特に食べ物となるといちばん大切なのは「美味しいそう!食べてみたい!」です。

 ですので①どこで②誰に③何を、が大切なのです。
嗜好品やギフトの場合は例えば「①雑貨屋さんで②贈り物に使う③外国製の紅茶のセット」であれば、海外を彷彿とさせるおしゃれな見た目で、箱の紙質や厚みにもこだわり、蓋も宝石箱のように開き、金の箔押しをふんだんに散りばめた素敵なデザインもいいかもしれません。
 しかし、毎日食べてもらう野菜にそんなイメージを付けてしまったらどうでしょう?「うわ、おしゃれだけど高そう。。。」と敬遠され多分売れません。しかも実際にそんなデザインにしてしまうと製造コストも跳ね上がります。
「高そう」ではなく「高く」しないと赤字になってしまいます。ですので繰り返しになりますが①どこで②誰に③何を、が大切になります。

 では、①どこで②誰に③何をが、しっかりと決まった!と仮定します。ではそれをイメージに変換していく作業になりますが、ここで大切にしたいのが「連想」です。例えば「甘い」という特徴を伝えることになったとします。
皆さんならどうしますか?ちなみにパッケージに「甘い」とダイレクトに書いてはいけません。

    そこでまずは連想してみます。「甘い→砂糖→白い→輝き→太陽・・・」う〜ん、ちょっと甘さから離れてしまいましたね。ではもう一度「甘い→とろける→シロップ」お、いい感じになってきました。
甘さを表現するには例えば商品名のフォント(書体)をトロっとしたとろけるイメージにしてみてはどうでしょう。そして色味は最初にたどり着いた「太陽」のオレンジも良いかもしれません。
オレンジ色は柑橘のイメージもありますし、暖色なので美味しそうです。トロッとしたオレンジ色の見た目の商品タイトルのロゴを見ただけで「甘そう!」と感じさせるデザインが出来そうですね。

関連記事

TOP
シールデザイン 料金 無料相談 セミナー お問い合わせ