朝日新聞さんで2023年より連載をさせていただいております、
【農業をデザインする思考】がなんと朝日新聞さんのご厚意でnoteやこちらのHPでも読めるようになりました!!
朝日新聞和歌山欄で発表した後、noteやこちらのHPへも記事を掲載してまいります。
ただ、朝日新聞さんのご依頼で執筆しておりますのでまずは朝日新聞さんで公開します。そのあと、少し時間を置いてからnoteやこちらのHPへ掲載、という流れになります。もし続きを早く読みたい!!という方はぜひ和歌山県のあなたは朝日新聞の購読を、他府県にお住まいのあなたはweb版の購読をお願いいたします!
では、前回の続きをどうぞ!
前回までにパッケージデザインをテーマに
①誰に買ってもらいたいのか?②何処で(どんな売り場で)売るのか?についてお話しました。
今回は③何を(どういった特徴を)伝えるのか?についてお話したいと思います。
「伝えましょう」「アピールしましょう」という指導を売り場担当者や仕入れバイヤーから言われたことは無いでしょうか?伝えることはとても大事ですが、何を伝えたらいいのでしょうか?結論から言うと、「お客様の知りたいに応える」ということです。
作り手の皆様が自分勝手にあれもこれも伝えたい、ということではありません。
お客様の「知りたい」にしっかり応える(アピールする)ことで「買いたい!」に繋がります。
では簡単にですが、手順をご紹介します。
①お客様は何を知りたがっているのか?これをまずは考えます。例えば自分で育てたイチゴを使用したジャムのパッケージデザインを考えるとしましょう。そのジャムについてお客様は何を知りたがっていると思いますか?農家が手作りしているということでしょうか?新鮮なイチゴを使っているということでしょうか?僕はこれは売り場ごとに違うと思います。
直売所などで販売する場合、農家が作っているや、新鮮なものを使用している、手作り、などは当たり前です。だとするとそれはお客様が知りたい情報では無いですよね。(ただし、今後はHACCPなどの導入で農家が作っている、ということが大きな価値になるかもしれませんが。。。)
そして次に②言いたいことは山ほどあるが、メインは一個に絞りあとはその他大勢にするか、もしくは省く!(実はこの作業が一番しんどいです。。。)自分で育てた採れたてのイチゴを使っている、手間をかけて作っている、砂糖の使用量を極めている、などなど。言いたいことはたくさんあるかと思いますが、心を鬼にして一個に絞ります。
自分が消費者の立場に立って考えてみてください。お買い物に行った売り場で、あれやこれやとたくさん情報が記載されているパッケージを見て特徴や内容を瞬時に理解できるでしょうか。
以前もお話しましたが、消費者が売り場で商品を見ている時間はわずか約0.5秒程度です。
この商品の特徴はこれだ!というわかりやすさが重要です。わかります、わかります。。。あれもこれも言いたい!というその気持ち。しかし、ここが踏ん張りどころです。
余談ですが、デザインだけではなく映画を作るときも全く同じです。大学時代、先生に「監督の一番の仕事は切る作業だ」と教えられました。この場面も見せたい、あのシーンも残したい。このカットは撮影で苦労したので是非見てもらいたい。。。と全部盛り込んでしまうと2時間では収まりません(笑)良い映画ほど無駄のないセリフとカットでできています。ですので人々の記憶に残るんですね。
話を戻します。何を伝えたらいいのか?と迷ったときは、この2つの手順を踏んでもう一度皆様の商品を見つめ直してみてください。その際作り手の自分ではなくお客様の自分で考えてみてくださいね。