デザイナーはデザイン事例集・作品集ばかり眺めている。。。
もちろんテイストを学ぶことは良いことだが、それでは強くなれない!
何に?
商売にです!!
商売のことを理解していないと単なる【作品作り】です。
「デザイナーは人の金で遊ぶ」と呆れられるのがまさにこれが原因です。
美しい意匠を構築することもデザイナーにとっては大切な仕事です。
しかしその前に「売れるかどうか?」「求められているかどうか?」「誰かの役に立つか?」など、
消費者・お客様のことを慮ることが大切です。
デザイナーになる人は大抵「絵を書くのが好き、ものを作るのが好き」という人です。
デザイナーになるまでは「自分のため」に作ってきました。しかしそれはアーティストなんです。
デザイナーとは【誰かのためにものをつくる人】なのです。
つまり「売れるかどうか?」「求められているかどうか?」「誰かの役に立つか?」という始点・視点でものを作らないといけません。
そこには商いの知恵が必須です。
デザイナーになったばかりの人や、フリーランスで仕事がないデザイナーは
この商いの知恵が足りていないのです。
というわけで、前フリが長かったですが、アーティストからデザイナーになるために必要なスキルを学べる3冊をご紹介します!
僕自信もこの3冊を読んだことで劇的に消費者やクライアントが求めるものへの理解度が上がりました。だからこそ【グッドデザイン賞】を受賞出来たと言っても過言ではない!!そんなデザイナーとしてだけでなく商売にも強くなる珠玉のタイトルです。(ああ、教えたくない。。。)
❶【戦略的ブランド・マネジメント(第3版)】
ケビン・レーン・ケラー著
もはや説明不要!教科書中の教科書!
2010年に発表され、現在はエッセンシャル版として第4版が出ていますが、
できればこの3版を読むことをおすすめします。
全部で800ページほどあり、また価格も高いですが、
この1冊を読めば他のブランディン関係の本は読まなくても良いのではないか?と思えるほどの良書です。
※エッセンシャル版は2015年発表ですので、
内容はアップデートされており新しい情報があるかと思いますが
ページ数も400ページほどに圧縮されております。
氏はブランド・マネジメントの権威として知られ、フィリップ・コトラー氏の「マーケティング・マネジメント」でも共著者として有名です。
氏は最初に
ブランドとは
「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、
競合他社の商品やサービスを差別化するためのネーム、言葉、記号、シンボル、デザイン、
あるいはそれらを組み合わせたもの」
と述べ、
「市場に一定の認知、評判、存在感などを生み出したものをブランドと呼ぶ」
と結んでいる。
そして
「顧客ベースのブランド・エクイティ」
とくにこの語、一言だけでも理解できるとこの本を読んだ価値があります。
「顧客が長期にわたる経験を通じ、ブランドについて見聞きし、
感じ、知ってきたものがブランドの力となる。言い換えれば、
ブランドの力は何が顧客のマインドに残っているかにある」
つまり、ブランドというものは高級感のあるものや希少性などではなく
人々が「あ、それ知ってる知ってる!」と思い出せるかです。
デザイナーはブランディングを行うときに、そういうものを生み出していかなければいけません。
この1冊はそのプロセスを体系化して教えてくれます。
ぜひ!
❷【シュガーマンのマーケティング30の法則】
ジョセフ・シュガーマン著
こちらもかなり有名な1冊(ちなみにアマゾンのレビューも790!)ですが、
デザイナーでこれを読んでいる人はどれぐらいいるでしょうか。。。
僕の周辺にはゼロです。。。読みなさいよ!!
アメリカの伝説的マーケッター、ジョセフ・シュガーマン氏の珠玉の1冊です。
僕は初めてこれを読んだときそのプロローグの
「心理トリガー(引き金) それはお客の心に働きかけ、心を動かし、ついには購入を決めさせてしまう。」
の一文に衝撃を受けました。
つまり人は誰しも心のなかに引き金がある。しかし購買行動ではその引き金は中々引かない。
そこでこの著で氏は【30】の引き金の引かせ方を教えてくれています。
例えば【感覚】の項では
「人は感覚で買い物をし、その買い物を理屈で納得するのだ」と記しています。
まさにその通り!
いちいち売り場で「この商品はこのような大いなる意志で生産され、
たくさんの人々の幸せを願うために、心と体の健康に配慮した最新の研究による成分配合の。。。云々」と
吟味しませんよね。
「あ、美味しそう。買ってみようっ!」
と、言う感じではないでしょうか。
ですので氏は「お客があなたの商品を買いたいと思う感覚的な理由を考え、
広告コピーやセールスで表現してみよう」と教えてくれます。
まさに弊社で生み出した【メラミンおばけスポンジは】
感情のトリガーを引かせたことで爆売れしました。
ぜひデザイナーはこの1冊を熟読し、自分勝手な「良い」ではなく
お客様の「心理的トリガー」を探してみよう!
❸【価格の掟 ザ・プライシングマンと呼ばれた男の告白】
さあそして最後は「お金」のお話。
ハーマン・サイモン著
ザ・プラシシングマンと呼ばれた氏の【価格】についての究極のバイブルです。
価格設定は商いの基本です。しかし、中々価格を決められない。。。と悩みます。特に僕達のようなデザイナーは扱っている商材が「概念」ですので価格をつけにくい。。。
手に取れる商品ならなんとなく「このぐらいだな」とわかります。しかし無形であるサービスはわかりにくいです。ですので価格設定の基本を身に着けておかないといけません。
価格というものは自分で決めているようで中々自分勝手に決めれるものではありません。しかし氏は言います。
「自分が価格に影響を及ぼせないビジネスは絶対にやってはいけない」と。
しかしそう簡単には無理よ!!
という心の叫びに、この1冊は答えてくれます。
実際弊社でもこの著を読み、価格を見直しました。
価格をしっかり設定すると、以前よりも仕事量を減らしても売上も利益も上がっていきます。
【価格=価値】なのです。
あなたの価値が価格なのです。
ですので、あなたの価値をしっかり伝え、その価値としての価格を設定していきましょ!
まとめ
今回ご紹介した3冊はいずれも教科書と言っていいほどの名著です。したがって少し事例の古さが気になるところです。デジタルマーケティングやSNSマーケティングにそのまま応用するには、補完しながら応用が必要かもしれません。しかし3冊とも注目しているのは「人」です。ですのでとても普遍的です。そしてどんな業種にも使える究極の技ばかりです。
クライアントへの提供だけではなく、あなた自信のビジネスにもお役に立てていただけるかと思いご紹介しました。
ぜひ、あなたの未来に活かしてみてくださいね!